2018年5月23日水曜日

世界のオフロードバイク訪問記~ポルトガル・エンデューロ世界選手権編

前回に続き、今回はポルトガル・エンデューロ世界選手権編です。

ポルトガルは世界でも有数のオフロード天国である。
 街から少し走ればオフロードがあり、自由に走り回ることができる。主に山火事の延焼防止の防火帯を走るのだが、そのライダーたちが市民権を得ているし、山に向かうバイクは市街地から発着しても、市街地の行き帰りを含めてナンバーやウインカー、ミラーなどを付けなくてもいいということ。
 実際にポルトの町をエンデューロマシンで走っていると、いろいろな人に手を振られるし、警察官にも手を振られたがナンバー無しについて何か言われることは全くない。
 
 しかも、カフェやレストランでも多くの人にカッコいいと言ってもらえるし、マシンを敷地内まで入れてもらえる。
 女の子にもマシンの前で写真を撮りたいと言われるほどの場所なのだ。


さて、そんな国で開催されるエンデューロ世界選手権ENDURO GP2018は盛り上がらない訳はないと思い、現場に行ってきた。
 行き帰りもバイクで往復したのだが、それは前出のロイヤルエンフィールドヒマラヤン。
 楽しいツーリングだ。
 そして、開催地のカステロブロンコに着いてまず驚いたのが町全体がエンデューロになっている。とにかくポルトガルの人はレースが本当に好きなのだ。
 そして、このレースのスタート地点はなんとショッピングモールの表玄関の階段の前。パドックはショッピングモールの駐車場。
 そして、エンデューロテストは普通の民家の敷地内のようなところを抜けて、畑の中のシングルトレールを走り、一般道を横断したり一般道を走ったりしながら構成されている。
 クロステストの会場は思い切りショッピングモールの前の広場。エクストリームテストは住宅街の中の裏山、スーパーテストはマンション地帯のど真ん中。
 日本だったら騒音とか埃が立つとかで絶対不可能な開催地だ。

ショッピングモールの真ん前がパルクフェルメで、スタート地点である。

ショッピングモールの中にKTMの展示


サイン会に人だかり


マンション地帯の真ん中で行われるスーパーテストにお爺さんが熱い視線を送る

民家の近くを通るエンデューロテストを、家族で釘付けになって見る姿を至る所で見る



民家から200mと離れていない裏山で行われるエクストリームテスト


エクストリームテストの出入口は住宅の前


女性のマーシャルスタッフも多い

こんな場所で開催できるのは、やはりオフロード天国のポルトガルだからであろう。
 ショッピングモールの中にKTMのエンデューロマシンが展示されており、多くの買い物客がライダーを応援する姿を見ることができる。
 また、自分もバイクで移動していることもあり、モトパン、ジャージにブーツを履いていたのだが、至る所で手を振られる。オフロードライダーが愛されているのを見るのは本当にうれしいことである。

 そして、夜もライダーや関係者も町全体も一緒になってエンデューロを楽しんでいる。
 泊っているホテルの敷地内にエンデューロマシンが止まっていたり、トランポが止まっている。もちろん競技車はパルクフェルメに保管されているので関係者のマシンだろうが、見ていると楽しくなってくる。

 そして、その夜一人で飲んでいるとKTMのシャツを着た一団にAJPの帽子とSINISALOのシャツの件で話しかけられる。お前は日本人か?一人か?スタッフか?と聞かれた。日本人で今回のエンデューロには出ていないが、ライダーだと答えると、一緒に飲まないか?誘ってくれた。そこで仲間に入れてもらい、夜遅くまでバイクの話やBAJA1000の思い出、日本でのレースの話や、雪道ライドの話で盛り上がった。
 ここでは国境の壁もない、ライダーとしての付き合いのできる楽しい場なのであった。

 翌日、ファイナルデーの日もヒマラヤンで各コースを回りながら撮影をする。
 昨夜会ったライダーたちも撮影することが出来て、競技終了後にパドックで挨拶をして帰路についた。
 ポルトのホテルに着いてからFACEBOOKで昨日のライダーに写真を送ったら喜んでくれたメッセージが来た。
 
 便利な時代のツールではあるが、何よりも行って話して飲んで同じ楽しみを持っているからこそ、さらに価値を発揮するものだとも改めて思った。

 この先も積極的にライダーたちと交流していきたいと思う。





次回もポルトガル編が続きます

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