今更聞けないシリーズ、今回はMV アグスタの最強伝説をお送りします。
現在イタリアを代表するオートバイメーカーといえば、バイクに乗っている方であれば先ず「ドゥカティ」が浮かぶと思います。
では、MV アグスタというメーカーを知っている方ってどれ位いるでしょう?
「ものすごく高価なバイクを造っている」
「昔レースで強かった」
多分、こういう回答が一番多いと思います。
確かに「ものすごく高価なバイク」も造っていますし「昔レースで強かった」のも事実です。
ですが、結構普通の価格帯のバイクも造ってます(勿論、高価な限定モデルも存在しています)。
高価=高品質と一概には言えませんがMVアグスタの造るバイクはどれも魅力的なスタイル、音、走りを提供してくれます。
現在のMVアグスタ社、実際にはレースで活躍していた頃のMVアグスタ社とは別の会社ではありますが、本家アグスタ社からエンブレムや名前の使用許可が出ている程の高品質なバイクを造っているメーカーなのです。所謂「本家 お墨付き」なのです。
ちなみに本家のアグスタ社は元々航空機メーカーでかつては飛行艇、今はヘリコプターで世界的なシェアを誇っています。
過去を遡れば世界GPでのメーカータイトル獲得回数37回は永らく不滅の金字塔でした(2013年時点での獲得回数はホンダがトップでヤマハと同一回数。最高峰クラスではホンダの次)。
名ライダー、ジャコモ・アゴスチーニとの組み合わせは世界最強でした。
しかし時代は2サイクル全盛となり、アグスタ伯爵の死去の後、GP撤退。
市販車も同程度の性能でありながら低価格で押してくる日本車に太刀打ちできなくなり製造を終わらせたのでした。
20年近くの歳月が流れ商標を獲得したカジバが突然「MV アグスタ」ブランドを復活。
名前(価格的にも)に恥じない高性能車「F4」を発表したのは記憶に新しいところですね。
4輪のフェラーリ社からF-1エンジンの技術提供を受け開発されたF4は世界中のエンスージアストから称賛されました。
ところでアグスタ伯爵存命の頃のMV アグスタのマルチシリンダーの市販車(600~750)は全車シャフトドライブでした。
これには理由があり、「アマチュアライダーが我々のバイクでショボい成績を残すのは許せない」からなんだそうです。シャフトドライブにする事でレーサーに改造したりレースに出場する意欲を少しでも削いでやろうというという考えだったそうです。
「伯爵様が言うんなら仕方ない」という事で従わざるを得ませんね(笑)
それでも中にはGT志向の強い市販車をレーサーに改造したり格好良く今で言うカフェレーサーにしてみたりと高性能なエンジンに見合ったチューンを施したユーザーも多かったそうです。
GP参戦時も他のイタリアメーカーを出られなくしたのも今考えればジワジワ台頭してきた日本車に対抗するにはイタリアメーカー同士でポイントの食い合いをしてる場合ではない、という考えもあったのかな、と思います(実際には分かりませんが)。
こういった経緯や歴史を知るとMV アグスタのバイクを所有する=イタリアンバイクの歴史そのものを手にする事、と言っても過言ではないでしょう。
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