2018年6月11日月曜日

世界のオフロードバイク訪問記~ポルトガル トレール編 Vol.1

ポルトガルのレース事情は前出のレポートでも書いたがポルトガルはトレールライドも多くのライダーが楽しんでいる。

 街から少し走ればオフロードがあり、自由に走り回ることができる。主に山火事の延焼防止の防火帯を走るのだが、そのライダーたちが市民権を得ているし、山に向かうバイクは市街地から発着しても、市街地の行き帰りを含めてナンバーやウインカー、ミラーなどを付けなくてもいいということ

 実際にポルトの町をエンデューロマシンで走っていると、いろいろな人に手を振られるし、警察官にも手を振られたがナンバー無しについて何か言われることは全くない。
 
 しかも、カフェやレストランでも多くの人にカッコいいと言ってもらえるし、マシンを敷地内まで入れてもらえる。

 女の子にもマシンの前で写真を撮りたいと言われるほどの場所なのだ。
 そんな場所で、しかもヨーロッパは陸続きなのでポルトガル国外からもライダーが練習に来るし、ポルトガルのライダーも多くトレール走行を楽しんでいる。

 そんなポルトガルではトレールライドに特化したAJPが開発され、多くのライダーが走りを楽しんでいる。

 自分も毎回、多くのポルトガルの友人たちと共に、AJPでポルトガルのトレールにライディングに出掛けて楽しんでいる。
 
 最初にポルトガルでオフロードライドに行ったのは20168月のことだ。

PR7の開発段階を見に行った時のこと、開発土壌を知りたくてポルトのAJPディーラーMOTORUARに紹介してもらったオフロードガイドツアー会社、ML-ADVENTURを訪ねてトレールをガイドしてもらったのだ。

 その代表、PAUROは、AJP PR5をトレールツアー用に貸し出し、自分ではKTM250EXC350EXCBMWR1200GSを所有している。

 自分も同じ組み合わせ、AJPKTMBMWを持っているので、会った時点で意気投合して、話が弾んでしまった。

 そして、PAUROのガイドで街中のガレージを出発する。小さなナンバーが付いているだけで、ウインカー、ミラー、大きなナンバーなどは付いていない。

 ほんの僅かなものだがバイクが軽く感じるし、レーサーの操作感が道路で味わえる感覚は、日本の感覚ではちょっとイケない事をしているみたいでありながら、特別な感じもする体験だ。そして、トレールの入り口のガソリンスタンドで満タンにして山に入る。



PAUROのガイドで山に入ると、既にあちらこちらがトレールだ。しかも走り放題。難易度の高い所や走りやすい所が揃っていて、本当にパラダイス。





このあたりの路面は全体的に石が多く、ガレ場も多いため相応のテクが求められるし、転んだら絶対に痛いので気を付けつつ、どうしても嬉しくてアクセルも開いてしまう。

 そして、アタックポイントで登り切ったところで記念撮影。
所々で撮影しながら、アタックしながら走っていく。

今朝初めて会ったのに、既にPAUROとは友人同士になっていてライン取りや走りを見ながらお互いを分かり合えるのはこのスポーツの特権だろう。

 さて、お腹も空いてきたころと思っていたら、なんと、山の中にカフェ登場!車でも来れるけど、すごい立地だ。どう見てもトレールのサービスエリアに見える。

 そこで、サンドイッチを食べてミネラルウォーターを飲んでのんびりと話す。先客にマウンテンバイクの2人組がいて少し話したがフランスからの旅行客だという。




山を降りると、PAUROはポルト市内をバイクで案内してくれた。


 ポルトの街並みを一望できる展望台に登ると、なんと若い女性がカッコいいと言って、マシンの前で写真を撮らせてくれと言う。

 正直驚いたがポルトガルはモータースポーツをカッコいいものとして市民権を得ている国と聞いていたので、これが文化というものだと思った。日本は4メーカーがある国なのに完全に負けている。



ガレージに戻ると、PAUROR1200GSを見せてくれた。

スペインやドイツ、アフリカにもツーリングに行くという。そして、少し試してみろと乗らせてくれた。

大きいが、乗ると軽く感じるしポジションは意外にスポーティー。

そして大きいオフロードバイクの感覚で動かせる。私は初めてのR1200GSはポルトガルで乗ったのだった。



PAUROと別れ、次はポルトから約350m離れたリスボン近郊のカスカイスという町でオフロードツアーを実施している、OFFROAD SERVICE という、思いっきり名前通りの会社を訪問する。

ここは代表のNunoPR5PR4を使ってオフロードツアーを主催している。NunoAJPの開発やテストにも携わっている、AJPの関係者だ。

この日はベルギーから来たライダー2人と、4人でツアーに行くことになった。



この二人はあまりオフロード経験は多くないと言っており、時々ガレ場でスタックしたりしていたが、やはりヨーロッパ人はバイクに親しんでいるのだろう。

旅行ついでにポルトガルのトレールを走りたくて参加したという。
そして私も自己紹介して、BAJA1000に出た話をしたら「クレージー」と褒められてしまった。




このあたりのトレールは海が近いこともあり、砂質のシングルトレールが多い。

ここはマウンテンバイクとオフロードバイク専用トレールとの事。

グリップも良くて走りやすいが時々隠れ岩があるので注意だ。

 こんな景色の良い所をオフロードバイク専用トレールとして使わせてもらえるのは本当にありがたい。ポルトガルならではの風景だ。

走っていると、ここにもあった。海沿いのトレールカフェ。

海水浴客も目当てにしているのだろうけど、トレール出口に直結していて実に見事な立地だ。ポルトガルの人たちはカフェも大好きだ。

カフェやレストランがどんな山の中にもあり、座って食事と話しをする時間をとても大切にしている。


ベルギーのお二人はビールを楽しんで、おいらはプロライダーとして業務中なのでサイダーで乾杯。

なので、業務が終わったら、今夜リスボンで一緒に飲む約束をして後半のライドに入った。

帰りは別の道を通り、ダブルトラックの高速コースを走る。

サンドの高速は好きなのでついつい調子に乗っていたら、結構大きく弾かれた場所があったのだが、PR4EXTREMEの足とフレームはしっかりと衝撃を逃がして、大きく姿勢が乱れることはなかった。

そして車を止めた場所に戻り、Nunoにホテルまで送ってもらってお開きになった。

その夜は一緒に走ったベルギーの2人とリスボンで乾杯。夜遅くまで話して飲んだのだが、今朝会ったばかりなのに、もうずっと友達でいるような感覚になる。

同じ遊びをする仲間がいかに素晴らしいかという事を感じた。

Vol.2に続く

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