2013年12月4日水曜日

冬季~来春に向けてのメンテナンス 前篇

今年も残すところ1ヵ月を切りました

1年を通して乗られてる方も、冬は乗らない(冬眠)方もいらっしゃると思います

春、暖かくなってイザ乗ろうという時に愛車の調子が悪いとあまり気持ちの良いものではありませんよね

今日はそんな思いをしていただかなくてもいいように冬季から春にかけてのメンテナンスについて書こうと思います

まず、多くの方が体験されている「バッテリーあがり」について

寒い時期はバッテリー内の化学反応はあまり活発ではありません
自然にですが微量に放電もされています

また、オイルも低温により固くなっておりセルモーターの回り方も少し元気がありません
特に排気量の大きなツインやシングルはクランクを回す際の抵抗も大きく、セルモーターへの負担も大きいのでバッテリーをあげやすい傾向にあります

エンジンを時々かけているから大丈夫!という事もありません
エンジン始動時にセルモーターを回す電力は数分のアイドリングでは賄えないので1度始動したらしばらく走りましょう
対策としては、冬に乗らない方はバッテリーの端子を外しておくか時々外部電源で充電してあげたり、寒くても頻繁に乗られる方でも装着後2年以上経過している場合は交換をお勧めいたします

今のバイクはヘッドライトが常時点灯ですしインジェクションだけでなくABSや、装着している方であればETCやナビ等の電子機器によりバッテリーの負荷は以前よりも大きくなっています

お次はオイルです

「あぁ、乗ってないから交換しなくてもいいや」と思われてる方も多いと思いますが、実際にはオイルは封をあけた時から少しづつ劣化しはじめています

また、寒暖の差でエンジン内部に結露で水が発生してしまい、オイルの乳化にもつながります
乳化とは文字通り牛乳の様に白濁してしまう事です

「てめぇらの血(オイル)は何色だー」的な変色具合です

乳化してしまったオイルでは本来の「潤滑」「冷却」「洗浄分散」「気密保持」「防錆防食」の役目を充分に発揮できません

これは冬を越してしまったバイクだけでなく、いつも乗っているバイクにも言えます

仮に乗っていなくても年2回のオイル交換を推奨しているのはそういう理由からなんです


さて、オイルといえばもう一つあります

そうです「ブレーキフルード」ですね

エンジンオイルのせいで走りが悪くなるよりブレーキが効かない方が恐ろしいです

こちらも重要点検項目になっていて車検時には必ず交換していただきます
御存じの方も多いと思いますがブレーキフルード(油圧クラッチの場合はクラッチも)というのは吸湿性があり、空気に触れてからの劣化はエンジンオイルよりも早いのです

では、具体的にブレーキフルードの交換をしないと、どのような事がおこるのでしょう?

例えば・・・長い下り坂でブレーキを多用した場合、最悪ベーパーロックを起こしブレーキが全く効かなくなります

*ベーパーロックとは*
ブレーキフルードが沸騰して微量に残った気泡が熱膨張で大きくなりブレーキが効かなくなる事を言います。劣化すると沸点が下がり沸騰しやすくなります。ハードなサーキット走行を行う前後にブレーキのエア抜きを推奨するのは少しでもベーパーロックの可能性を減らす為です

4輪だと車重もあるのでフェード(効き難くなる事)しやすいのですがバイクの場合、ブレーキフルードの容量も少ない為、沸騰しやすく4輪同様にフェードします

ブレーキフルードは最低でも2年に1回の交換を推奨、というより必ず行ってください

交換によりフェードやベーパーロックの可能性を低下させるだけでなく、ブレーキレバーのタッチも新車のように改善される事でしょう

クラッチフルードの場合エンジンに近い為、熱を受けやすく(レリーズシリンダー内のピストンの動く量もブレーキ以上です)切れが悪くなりがちですがフルード交換で元通りのフィーリングに戻る事が多々あります

ブレーキ・クラッチ共通ですが以上のようなフルード交換を行っても効きが改善されない場合はマスターシリンダーやブレーキキャリパー、クラッチの場合はレリーズシリンダー内部のパッキン類が役目を果たしてない可能性が考えられます

その場合、内部パーツの交換が必要になります(一部パーツ単体の設定が無い車種もございます。御了承ください)

前篇はココまで

後編に続く~

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